中学三年の頃の事である。

体調不良で病院へ行ったところ

髄膜炎かもしれないと言われた。

髄膜炎って何???

どんな病気かはわからなかったが、とりあえず入院する事になった。

看護婦さんの言う事には、中学生までは小児病棟らしい。

というわけで、小学校低学年ぐらいの子と同じ部屋。

あまりうるさいのはイヤだな、と思っていたが、

幸いにも、その子はとてもおとなしかった。

数日間は、夜も安らかに睡眠♪

が!ある夜!

あまりのうるささに、俺の睡眠が妨害される!

な、何事!?

子供が泣いたり騒いでいる音ではない。

擬音語で表すなら

ボリボリとか

ガリガリって感じ。

とりあえず、その音が、隣の子のベッドの方から聞こえてくるのは間違いない。

そーっと、カーテンの間から隣の様子を覗く。

すると、そこには

センベイをかじるおばさんの姿!

な、何者ーーー!?

冷静に考えれば、隣の子の母親であることは明確。

しかし、見舞いに来てセンベイ食うか・・・しかも病室で。

ちなみに、その音にも動じず眠り続ける子供には拍手。

慣れてるんだろうなあ・・・。

と、まあ、そんなわけで、俺が再び夢の中へといざなわれたのは、

おばさんがセンベイを食い終わった数分後。

静かになった病室で、徐々に深い眠りへ・・・

!?

俺が再び目覚めたのは、どれほど後だったのだろう。

起きた理由は、胸の辺りに異様な不快感を感じたから。

視線を自分の体に移すと・・・

血!?

ベッドのシーツと俺の胸の一部を赤く染め上げるのは

紛れもない血液!

何が起きたのかわからず、頭はとにかく混乱。

とりあえず、即座にナースコール!

看護婦さんがすぐにやって来る。

曰く「あ、点滴はずれちゃいましたね」。

あ・・・。

よく見れば、右腕にしていた点滴がはずれ、血を流している。

先ほど起きた時にはずれかけていたのだろうか。

何だ☆吐血とかじゃなくてよかった☆

(看護婦さん)「シーツ取り替えますから、着替えましょうね」

優しい看護婦さんに感謝。

やっと本当に眠れる♪

そう思って布団に入ると

すでに窓の外が明るく・・・

二度と入院はなんてするものか!

固く心に誓うのであった。

※ちなみに、検査の結果は髄膜炎ではなく気管支炎でした。