俺はメロンパンが大好きである。

気に入った遠くのパン屋まで、わざわざ電車で買いに行ったりはしないが

二日に一個はメロンパンを食べていないと調子が狂う。

ちょうど一年前の夏休み、俺の主食はまさに

メロンパンなま食パンだった。

ほとんどの日は、メロンパン二個と数枚のなま食パンしか食べなかった。

我ながら、よく飽きなかったと思う。

当然家族は心配したが、

俺は全く気にせずメロンパンとなま食パンを食べ続けた。

働いている母の代わりに家事をしている祖母は

「しっかりご飯食べないかんよ。ゆうちゃんはすぐ風邪ひくで」

と言って、毎日俺の分のご飯も作ってくれていた(感謝)。

しかし、俺がきちんとご飯を食べる日はほとんどなかった。

さすがに心配した母の言う事には

「せめて食パンは焼きなさい」

・・・いや・・・なま食パン食べても焼いた食パン食べても

一緒だと思うが。

はっきり言って俺の母親は天然である。

と、まあ、母親の話はそのうちするとして、

とにかくパンのみを食べ続けた俺の体力は

急速に落ちていった。

もともと体力のない俺は、

立ちくらみや貧血を頻発するようになった。

ヤバイ・・・

さすがにそう思い始めた頃、

風呂場で貧血を起こして倒れた

のぼせただけだと思われるかもしれないが

浴槽の中や浴槽から出た瞬間ではなく体を洗っている最中だった。

何とか意識はあった。

だが、気持ち悪いし体は動かない

一瞬、家族を呼ぼうかとも思ったが、よく考えて欲しい。

俺が倒れたのは風呂場である。

すなわち

俺が全人類の中で最も裸を見せたくないのは家族である。

その後数分で、回復したのが唯一の救いだが・・・。

で、それ以後は反省して普通に食事するようになったかと言うと

やはり、毎日パンを食べ続けた。

少し変わったのは、そこにカロリーメイトが加わった事。

バカなんです・・・。

結局、俺が多少なりともきとんと食事をするようになったのは

その二週間ほど後である。

家族と旅行に行ってもロクにご飯を食べない俺を見て

(とゆーか、その頃はすでに摂食障害に陥っていて食べれなくなっていたんだけど・・・)

父は怒るし母は泣くし・・・。

しかたなく、一日一食はきちんとしたご飯を食べると約束。

それでも不安だという家族につれられて

病院で検査を受けたところ

「健康ですね。悪いところもないし、栄養も足りていますよ」

何なんだろうね・・・俺の体。

ちなみに、今でも一ヶ月に四十個はメロンパンを食べています。